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学校保健分野における教育協力の持続的な開発を目指す活動事業

大妻女子大学
大澤 清二

1. 概要

  • タイ  平成20年度は学校保健組織をチェンマイ、ウボン県のモデル校から、 さらに周辺校、山地民の学校へ定着させ、地域組織・住民との協働活動を展開し、 学校衛生環境の改善、安全環境づくりおよび生活習慣の改善を図る。これに関連 して他の学校、地域の人々を指導できる教員を増やす。そのための指導者研修会 を開催する。新たに学校保健改善事業を展開するためのプログラム開発を現地側 が主導して試み、我々はこれを支援する。この事業を行政当局と連携してタイ国内 の他の学校、地域に広く普及しうるようにはかる。年間を通して、隔月に現地 協力者、共同研究者が各モデル校を訪問し、巡回指導する。
    • 19年度 に設定された学校ごとのプログラムをさらに推進してゆくのに必要な情報やノウハウ を提供しプログラムを支援してゆく。
  • ミャンマー ミャンマー語版マニュアルを使用した研修会を、全州、管区 の教育行政、学校保健の指導者を対象として、ヤンゴン、シャン州、マグエー 管区で開催し、併せて教員の実技レベルを向上させるための臨地実習を行う。
    • 18 19年度に研修会を実施したヤンゴン、モーラミャイン、エイヤワディー、 マンダレーでは引き続き改善プログラムを継続し、それを自ら評価し、さらに 改善計画を実施できるように巡回指導し督励する。モデル校を毎月現地協力者 が訪問指導する。
    • これらの事業を通じてミャン マー向けの学校保健改善モデルを全国的に普及する。
  • タ イ ミャンマーの両国において、発育栄養評価・改善プログラムの開発に関連 してタイ、カレン、メオ、ビルマ、モンなどの主要民族別の発育標準値を策定 するための基礎資料収集を続け20年度には発育評価と栄養評価を行うための チャートを完成させる。
  • 本事業を日本国内で紹介する広報事業を行う。国内の関係学会、研修会、雑誌を通じて、日本語版マニュアルを出版し、将来の活動に向けた人材の開発を行う。
  • ネパール語版マニュアルを完成させる。

2. 目標

  • 開発途上国(ここでは主として ミャンマー タイなど)の学校保健の諸問題を解決するための手 法としてQC手法の応用 であるHQC手法によるマニュアルを広く紹介し、実用に供する。
  • この手法を現地教職員が習得した後で、他の教職員、教員、地域の協力者に 伝達し、開発途上国側が持続して事業を実施できるようにする。
  • モデル校の周辺の協力校に学校保健委員会(学校保健改善ティーム)を作り、 地域と連携して学校保健組織活動を行えるようにする。
  • モデル校自身が実施プログラムを評価・開発し、新たな課題の発見と持続的な 開発能力を持つようにする。
  • 本事業を日本国内で紹介する広報事業を行う。国内の関係学会、研修会、雑誌を 通じて、日本語版マニュアルを紹介し、将来の活動に向けた人材の開発を行う。

3. 成果物

20年度事業の成果をまとめて「学校保健改善のための実践マニュアル」を作製する。 また、現地行政担当者からの強い要望からタイ語版、ミャンマー語版、ネパール語版 の増刷と配布が要請されているので、できるだけこれに応えたい。今年度は、日本国内 でも日本語マニュアルを広報して、今後の要員の要請に資したい。併せて、6年間の 活動写真集を編集する。

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