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ソーシャルワークにみるESDの本質〜実践者の特性と課題の検討

神戸大学

1. 概要

本事業は、「持続可能な開発または社会づくりのための教育(ESD)」の国際的研究拠点を神戸大学に構築しようとするプロジェクトの一環として、2006年度ノーベル平和賞受賞者であるバングラデシュのグラミン銀行総裁モハメド・ユヌス氏を招聘し、シンポジウムを実施する計画である。
 本学では、平成19年度より現代GP事業として、三学部連携(発達科学部・経済学部・文学部)による「ESDサブコース」を創設し、本年4月より開講している。また、平成19年8月に神戸大学ヒューマン・コミュニティ創成研究センターを中心とするESD推進ネットワークは、国連大学からRCE兵庫−神戸として認証を受けた。
 そして、国際的動向や国内でのESD推進の動きを整理し、学内外に向けて発信する企画として、平成19年度には、第1回ESDシンポジウムをユネスコバンコク事務所ESDプログラムスペシャリストのエリアス氏等を招聘し実施した。また、今年度は5月に、前国連大学長のヒンケル教授等による第2回ESDシンポジウムを実施した。
 今回は、前記諸活動を踏まえ、ESDの中で重要な要素をなす「ソーシャルワーク」に焦点をあてて、その第一人者であるユヌス氏と我国の先駆者である賀川豊彦の活動等から、ESDの可能性を考えようとするものである。このソーシャルワークとは、一般的には、社会福祉の専門的援助技術の一つであり、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワーク、社会活動支援、社会福祉調査活動、福祉計画策定、福祉サービス運営管理などが含まれている。また、今日では、子どもや未就職の女性や青年などへの社会的周辺者に対して、総合的な生活・学習支援をする活動として、より広い意味で用いられている。本事業においては、ソーシャルワークをESDにおけるE(教育)の根幹となる技術・方法論と位置付け、バングラデシュにおけるグラミン銀行を中心とした取組み事例から、経済活動と地域活動を一体化させたソーシャルワークの実践のありようを検討し、既存の枠組みを超えた新しい対話が生まれることを期するものである。
 活動経費については本事業での不足分を、賀川豊彦献身100年記念事業神戸プロジェクトからの助成および学内競争資金である神戸大学平成20年度教育研究活性化支援経費にて補完するが、経費の切り分けを明確にした上で実施する予定である。

2. 目標

平成19年秋以後、数回の小研究会・学習会を経て、平成21年3月に、「ESDシンポジウム イン KOBE」(第3回ESDシンポジウム)を開催する。本事業では、ESDの広大な地平をふまえて、貧困・福祉・平和の観点に立ったソーシャルワークの重要性に着目し、経済活動と地域活動の一体化をモチーフとしたグラミン銀行の活動や、救貧活動から生協運動を派生させた賀川豊彦の実践に学びつつ、ESDに不可欠なものとして、ソーシャルワークの意味を考究すると共に、その方向性を検討する。 本シンポジウムには、神戸大学が中心となって展開している「RCE兵庫‐神戸」のメンバーである、アジア防災センター、国際連合地域開発センター防災計画兵庫事務所、JICA兵庫国際センター、WHO、兵庫国際交流協会の関係者や開発途上国からの招へいスタッフの参加を予定している。また、フェアトレード事業やアジア地域からの農業従事者研修生受入事業などを行っている「財団法人PHD協会」や「ペパップ」などの協力が得られる予定であり、今回のシンポジウムを受けて、バングラデシュのグラミン銀行やハンセン病療養施設をもつバングラデシュのキリスト教病院と連携し、ESDに資する国際的な研究交流や実験的なボランティア活動プログラム等の実施を予定している。

■「ESDシンポジウムインKOBE」の概要
テーマ:環境・開発・人権のバランスを支えるソーシャルワークとは?
〜ノーベル平和賞受賞者モハマド・ユヌス氏との対話を起点に〜
日 程:
平成21年3月7日(土)  神戸大学六甲ホール
13:00〜17:00 プレセッション
18:00〜20:00 レセプション

3月8日(日)  神戸国際会議場メインホール
内 容:ミニパネル展(ユヌス教授とグラミン銀行及び賀川豊彦紹介)
 
12:30 開会式
13:00 趣旨説明
13:30 基調講演:モハマド・ユヌス教授
「持続可能な社会づくりとソーシャルビジネス」
〜もうひとつのソーシャルワーク、グラミンバンクが提起する新しい方向〜
14:45 講演:阿部志郎先生
「ESD実践の草分けとしての賀川豊彦」
15:30対談:「ESDに資するソーシャルワークの現在・過去・未来」
モハマド・ユヌス教授、阿部志郎先生
17:00 閉会式

3月9日(月)  神戸大学六甲ホール
13:00 名誉博士号授与式
13:30 ワークショップ「ユヌス氏を囲んで本音でトーク」
15:30 クロージングセッション
16:00 クロージングリマーク

3. 成果物

「ESDシンポジム イン KOBE」レポート

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