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ESD推進のための国際シンポジウムの開催
ー持続可能性を学ぶための教育実践とはー

宮城教育大学

1 概要

本学にこれまで実施してきた開発途上国における教育協力の経験と、仙台広域圏RCE(国連大学ESD推進拠点)等の国内におけるESD経験および実績の上に、課題内容別にモデルESD実践プログラムを作成する。本申請事業の仕上げとして、このモデルプログラムを基本素材として、開発途上国における有効性を検討するためのシンポジウムを開催する。これらの成果を整理・蓄積・体系化して公開する。このことによって、我々のこれまでの取組の開発途上国における実践における可能性と有効性を獲得することができるだけでなく、活用可能な方法で公開し、今後の開発途上国における教育協力の促進に資することができる。

  1. 【モデル実践プログラム案作成】
     ESDの課題の中で、宮城県を中心とする東北地方の学校(小学校、中学校、高等学校)の実践的な教育研究課題は、「環境教育」、「エネルギー教育」、「防災教育」、「伝統文化教育」、「食教育」などであることをすでに調査している。これらの学校における実践プログラムをもとに、本研究プロジェクトで一般化と地域別の多様化案を作成し、モデル実践プログラム案集を作成する。
  2. 【ブラッシュアップI】
     このモデル案をACCU青年交流事業で11月に招聘しているアジア5ヶ国(バングラデシュ、フィリピン、タイ、韓国、中国)の大学生と引率大学教員に示し、それぞれの国における実践の可能性について意見を聴取し、その意見にもとづいてプログラム案を再検討する。
  3. 【ブラッシュアップII】
     ブラッシュアップI案について、11月17日から12月2日までの期間、JICA研修プログラムの集団研修で来学中の教員(フィリピン、タイ、カンボジア、ラオス、ネパール、サモア、トンガ、バヌアツ、ベリーズ)に提示し、国毎の実情に照らしてどのように変えるべきかを検討し、それぞれの国に合うような多様化を試みるとともに、実践上の留意点等を整理し、蓄積する。このことによりモデルプログラムの内容が深まるとともに、集団研修事業の内容のレベルアップを図ることができ、また、本学のESD内容の高度化も実現できる。さらに、12月上旬に行なわれるESD国際フォーラム2008(主催:文部科学省 他)の成果についても、本検討に反映させることを試みる。
  4. 【インテグレーション】
     2月末に本申請事業として、ESD国際セミナーを開催する。11月の集団研修に参加した国およびこれまで連携実績のある国のESD関係者を招き、また、国内のESD研究者・実践者の参加を求め、公開事業としてシンポジウムを開催する。ここでは、それぞれの国の実情に合わせたESDの在り方、経験を持ち寄り、蓄積し、整理して体系化を試みる。
  5. 【ネットワーキング】
     このESD国際セミナーを通じて、互いの国を理解し、それぞれの国のESDの一般化とその質の高度化を図るとともに、ESD研究・実践者間のネットワーク化を図る。
  6. 【パブリッシング】
     さらに、ここで得られたESDに関する成果をまとめて、開発途上国の教育協力促進に資するために、容易に活用できるような形で公開する。

2 目標

ESDは、間もなく中間年を迎えようとしているが、教育現場では具体的な取組の研究が進んでいないのが現状である。ESDには、国の置かれた状況、文化や伝統の違いを反映した部分と、本質的な不易の部分とがある。そのことを押さえた上で、ESD実践プログラムの基本と、地域毎の違いを反映した多様性のある内容を示すことによって、開発途上国における教育協力の促進に貢献する。また、この研究過程を通じて、我々国内のESDの実践上の質的な高度化を図る。

3 成果物

CDおよび印刷冊子

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