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障害児教育分野における青年海外協力隊派遣現職教員サポート体制の構築
―現職教員研修事業とテレサポートシステムの活用―

筑波大学特別支援教育研究センター
前川 久男

1. 事業の目的

  1. 派遣前研修の充実
     派遣前研修実施に向けて、指導法・教材等の情報提供と派遣中のサポートパートナーとなる人材のマッチアップ、現職教員研修事業の研修プログラムを活用した専門研修等を実施する。 
  2. 派遣中の活動支援
     サポートニーズ及び現地通信環境を把握し、メール相談等の即応性の高い情報提供を行うとともに、指導法・教材・人材等の提供や紹介を行う。また、テレサポートシステム(テレビ会議)を活用して、ケースカンファレンス、継続した研修等を実施し、専門家ティームによる巡回サポートを実施する。
  3. 帰国後情報ネットワークの構築
     現任者等との事業引継及び情報共有のニーズを把握するとともに、現任者と帰国隊員の情報共有ネットワークの検討を行う。

2. 事業の実施方法・具体的な活動内容

 現在派遣中の養護隊員を対象としたニーズ調査及び通信環境調査を実施し、派遣前から派遣中及び帰国隊員とのネットワーク等のニーズを把握した。
 派遣前研修に関しては、本事業開始前に終了しており、次年度以降の研修プログラムの検討を行った。また、サポートパートナーとなる人材として、本学附属障害教育5校の教員を対象とした、講師派遣実績調査を行い、人材バンク基礎資料を収集した。
 派遣中の継続的サポート実施のために、メールによる相談活動の展開とテレビ会議を活用した講義配信及びケースカンファレンス実施に向けて、国内配信実験を行った。

3. 事業の成果

 ニーズ調査をもとにして、隊員の課題及びサポート体制構築の視点と派遣隊員のネットワーク環境及びスキルに関する情報が得られた。CRICEDのメーリングリストを活用し、隊員の相談(5カ国のべ14件)を展開した。
 国内配信実験を通して、テレサポートシステムに関する課題や改善視点を得ることができ、今年度中に拠点モデル(マレーシア、ジャマイカ)を構築して、試験運用を開始する。
 附属障害教育5校の教材・人材の基礎資料が得られ、今後のリソースバンク構築の基盤ができ、附属学校の人材や帰国隊員等を含めた情報交換の場(ブログ)の試験的運用を開始した。

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