海外教育協力者に対する環境教育実践指導と教育マテリアルの支援
宮城教育大学附属環境教育実践研究センター
村松 隆
1. 事業の目的
派遣現職教員との対話を通して、派遣地における環境教育分野の協力活動に関する計画の相談、教育上の指導助言、教材の提案と提供を行い、派遣前隊員、派遣中隊員、帰国隊員の諸活動に対する学際的支援を行う。
2. 事業の実施方法・具体的な活動内容
- 派遣現職教員(環境教育隊員)の海外における協力活動の把握とその教材化
環境教育隊員の活動報告(これまでの5年間)をもとに環境教育協力内容を分析し、派遣前隊員の研修と派遣中隊員の実践活動を支援する教育マテリアルを作成した。これは、「派遣現職教員活動データベース」として、隊員の実践事例、教材に加えて、環境教育の方法論、ゴミ問題の扱い方など、派遣隊員の要望に応えた支援教材を登録したものである。
- 海外調査と直接支援
JICA事務局の協力で、派遣中隊員に対する環境教育情報の提供を進めてきた。提供情報として、ゴミ対策、リサイクル、緑化、美化等の事例情報を充実させた。今年度、環境教育隊員を多く派遣しているコスタリカ(隊員数9名)とエルサルバドル(隊員数3名)へ渡航し、隊員活動の現状確認と教育活動の諸問題に対する指導助言・教材の検証等を行う(2月下旬〜3月上旬)。
- 帰国隊員および派遣中隊員による教育成果の還元に向けた準備
今年度実施した帰国隊員に対するアンケート調査結果を参考に、JICAの協力のもとで、帰国隊員および派遣中隊員によるテレビ会議システム(JICA-NET)を用いた授業実践を計画している。現在、帰国隊員の海外経験を宮城教育大学の学部講義「環境教育概論」等に導入する準備、海外と日本の学校間交流を行う準備を進めている。(いずれもH19年度実施予定)
3. 事業の成果
派遣中隊員の活動は、自然保全とそれに密接した生活改善に関する取り組みが多数を占める。我々は、参考となる日本事例をこれまでの成果物「環境教育実践事例データベース」に付加し提供すると共に、協力隊員に対する教育マテリアルとして新規に「派遣現職教員海外活動データベース」を構築した。このデータベースは、今年4月以降、派遣前隊員の事前研修等に活用される。