授業を中心とした校内研修の導入による初中等教育の質的向上
鳴門教育大学教員教育国際協力センター
小澤 大成
1. 事業の目的
途上国の学校の授業の質的向上は、教育の量的拡大と共に共通の開発課題となっている。この課題を克服するには、行政機構によるトップダウン型能力開発と同時に、学校現場に根付いたボトムアップの研修が重要である。授業研究という教員相互の学習を中心とした校内研修により授業を改善することは、資源に乏しい途上国の学校現場でも十分応用可能である。
本活動の目的は、授業研究を中心とした校内研修活動を、現地研究機関と共に途上国の学校においてパイロット的に試行し、そのインパクトを測定することで、現地に根付いた校内研修システムの提案を行い、それを通じてサブサハラアフリカ地域の初中等の学校現場で広く応用可能な教育の質的向上システムの形成に資することである。また現地研究機関の研究能力向上および校内研修の持続的発展を意図する。
2. 事業の実施方法・具体的な活動内容
鳴門教育大学およびプレトリア大学(南アフリカ)、アジスアベバ大学(エチオピア)、マケレレ大学(ウガンダ)と共同で、それぞれの国の現地の学校において校内研修活動を導入し、その効果を測定する。
本年度の活動として、共同研究を行う現地研究者に対し授業研究のイメージを提示し共有すること、現地の学校現場を訪問しニーズ調査を行うこと、ベースライン調査として研修前の授業ビデオを測定すること、そしてそれを踏まえ、校内研修のガイドラインを作成することを計画した。
3. 事業の成果
今年度は以下の成果を得た。まず授業研究説明パッケージを開発し、現地研究者間とのイメージ共有を行った。また学校現場でのニーズ調査を行い、教員の力量向上を管理職が要望していることが判明した。活動のインパクト評価にかかわるデータ収集として授業のビデオ撮影を行い、その評価を行うためのルールブックを開発した。また校内研修ガイドライン作成を行った。