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学校保健分野における教育協力の持続的な開発を目指す活動事業

大妻女子大学人間生活科学研究所
大澤 清二

1. 事業の目的

 タイでは本事業の協力校がそれぞれ過去3年間に行った活動成果をまとめ、さらに学校保健委員会を組織して、地域組織、NGOと協働して学校環境衛生、学校安全、生活習慣の改善と持続的開発事業として発育栄養評価と栄養改善に結びついた動植物育成事業を展開する。また、既に習得したHQC技法を用いて周辺の学校にこれらの活動を拡大する。ミャンマーではタイで開発したモデルを応用発展させてモデルの一般化を図る。同国における学校保健は極端に財政が貧困である上に国際機関をはじめとするドナーがなく、国際協力は非常に困難であるがニーズは極めて高い。そこでミャンマー政府の公認を取り付け、上記タイと同じ分野の課題を3年計画で展開する。日本がなしうるユニークな事業としたい。

2. 事業の実施方法・具体的な活動内容

 タイでは、地域との連携による学校保健改善ティーム・委員会を組織し、上記のテーマについて地域ぐるみで活動する。既にモデル校として成果を上げた学校の職員を中心として周辺の学校に改善運動のプログラムとノウハウを広げる。
 ミャンマーではタイと同じく、ミャンマー語によるマニュアルの作成を行って、研修をヤンゴン、モーラミャインで行い、実際に学校で改善活動が出来るように組織つくり、人つくりをし、改善活動が自律的に出来るようにする。また、これまで日本から持ち込んでいた検査キット、用具を現地で継続して生産配布できるように工夫準備する。

3. 事業の成果

 タイでは 学校保健改善ティーム・委員会の設置と運営に関する知識とノウハウ、現地語のマニュアルを定着させ、地域と連携したシステマティックな学校保健組織活動が行えるように準備して、学校保健改善活動が持続できるようにはかった。さらに学校保健の改善プログラム開発を現地において行い、そのノウハウが自律的に拡大できるようにはかった。ミャンマーでは、現地語のマニュアルを試作し、政府の公認のもとに研修会と各学校における協働作業を行い、タイで行ったのと同じ改善活動を開始する準備を整えた。また、事業を継続的なものとし、普及するために現地で検査キット、器具を生産できるように準備した。

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