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障害児教育分野における教育経験の整備・拡充と国際教育協力モデルの検証
筑波大学教育開発国際協力研究センター
中田 英雄
1. 事業の目的
- 協働授業研究モデルを科学的な視点で検証し、普遍的なモデルに発展させる。
- 筑波大学附属盲学校、同大学附属聾学校の実践活動をビデオに収録し、ビデオCD(日本語版・英語版)を制作する。
- 特殊教育諸学校児童生徒の芸術作品を集めて芸術作品集を作成し、CDに収める。
- 年に2回の報告会を開き、自己点検と自己評価等を行う。
- これらの成果を拠点システムアーカイブスで国際社会に発信する。
2. 事業の実施方法・具体的な活動内容
- インドネシア教育省の現職教員研修の一環として、8月に第3回国際協働授業研究会をスマトラのパダン第2知的障害養護学校で開催し、ビデオに収録した。パダン大学教育学部と地元PTA等の支援を受けた。全国の332名の現職教員、大学教員、地元の行政関係者及び保護者が参加した。8教育大学の15名の教員が実行委員を務めた。日本の現職教員2名とパダンの養護学校教員2名がそれぞれ算数と体育の授業を4回行った。また、両国の教員が算数と体育の授業を協働で2回行った。参加者の90%以上はこの取り組みが教員の質の向上に有効であると評価した。参加修了証を参加者全員に授与した。また、同教育省の現職教員研修として12月にバンドン市内の7ヶ所で研修会を実施し、本学附属養護学校教師2名及び筑波技術大学教授1名とともに約1,500名の参加者に講義を行った。さらに、バンドン市ソレアン教育委員会と全国教員協会主催の初の授業研究会(インクルーシブ体育授業)に参加した。参加者82名のうち80名が授業研究を高く評価した。ウズベキスタンでは9月に鳥越 隆士教授(兵庫教育大学)がタシケント教育大学及び聾学校と連携して研究授業(日本の現職教員1名が実施)、セミナー等を実施し、両国の聾学校同士でTV会議を行い、手話ビデオを制作した。
- 本学学術情報メディアセンターに依頼し、本学の附属盲学校及び附属聾学校における実践活動のビデオCD(日本語版・英語版)を制作した。
- デジタルカメラで撮影した児童生徒の芸術作品93点を全国19の特殊教育諸学校から収集し、芸術作品集を作成するとともにCDに収めた。
- 7月と12月に検討会を開き、自己点検と自己評価等を行った。
3. 事業の成果
- 協働授業研究モデルがインドネシア教育省、大学教員、教育委員会、校長・教員等から高い評価を得たこと。その活動をビデオCDに収めたこと。インドネシア教育省との間に教育協力に関する覚書を交わしたこと、インドネシア教育大学との間に大学間交流協定(部局間)を締結したこと。インドネシア教育大学出版会初の出版物として、現地語の障害児教育専門書が共著として出版されたこと。
- ウズベキスタンにおいても協働授業研究モデルの応用可能性が示されたこと。
- 盲学校および聾学校の実践活動をビデオに収録し、ビデオCD(日本語版・英語版)を制作したこと。
- 芸術作品集を作成するとともにCDに収めたこと。
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