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知的援助リソース・ニーズデータベースにもとづく水資源・環境・災害教育協力モデルの最適化とその検証

筑波大学
田中 正

1. 概要

 申請者らはH18年度拠点構築事業の一環として、水・環境問題に関わる国 際教育協力ニーズの調査を開発途上国5カ国において実施した。その結果、こ れらの問題の認知構造が水資源・汚染・災害の3要素に還元可能であることが わかった。また、①先進国に近づきつつある中国では、 共同研究作業におけるOJT(On-the-Job Training)のニーズ比率が高く、関心 が認知空間内の1極に集中する傾向が強いこと、②高等教育就学率の高いモンゴル では研修受講のニーズが多く、関心の所在も広範に及ぶこと、 ③ インドネシアは両者の中間的な傾向を示しながらも特異な関心を有するこ と、などが明らかとなった。本事業ではこれらの成果を踏まえ、各国に最適な 教育協力モデルを構築し、現地での実践を通じてその効果を検証する。

2. 目標

本事業の全体計画は複数年度に及ぶが、本年度の目標は次の2点である。

  1. 知的援助リソース・ニーズデータの分析を通じて、 中国 モンゴル インドネシア各国における水資源・環境・災害教育協力モデルの最適化に関 する指針を得ること。
  2. 短期間で最も確実に成果をあげることができると期待される中国を対象 として、OJTプログラム*を開発・ 実践し、その効果を検証すること。

* 共同研究の立ち上げを擬似的に想定 して、①テーマ選定の議論、②学術的・社会的背景のレビュー、 ③予察的野外調査の企画立案、④野外調査実習の実施、⑤野外 調査結果の取り纏めなどを行い、その過程において必要な知識・技術・技能・ 態度などを意図的・計画的に指導し、修得させることによって、全体的な業務 処理能力の向上を図るプログラム。

3. 成果物

  1. 報告書『水資源・環境・災害教育協力モデルの最適化』(印刷物)
  2. 中国を対象とした水資源・環境・災害教育教材(印刷物およびデジタルコンテンツ)
  3. 報告書『中国における水資源・環境・災害教育協力モデルの検証』(印刷物)

4. 国内報告会資料

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