開発途上国の産業技術教育を支援するコアカリキュラム提供システムのモデル構築(実習テキストの作成)
愛知教育大学
1 概要
前年度は,産業技術教育で最も要請の大きい「専門技術教育」の基礎となる,[産業技術基礎]のコアカリキュラムの編成とテキスト[産業技術基礎]を編修した。これは,技術教育と工業教育の基礎として有効であり,テキストの領域は,「製図」,「木材加工」,「金属加工」,「電気」,「機械」,「情報」,「技術倫理」,「安全衛生」の8領域とした。周知の通り,産業技術は知識面と技術面(技能面)の両者が必要である。前年度は前者の知識面であるテキスト[産業技術基礎]を作成したので,本年度は後者の技術面である[産業技術基礎]実習テキストのコアカリキュラム編成と,そのコンテンツの編修と評価票の作成を行う。また,これらの成果が開発途上国で有効であるかどうかの検証を,積極的に産業技術教育に取り組んでいるフィリピンのコロンボプラン・スタッフカレッジで,実習テキストのPR活動とワークショップを含めて行う。同時に,多くの国へのアンケート調査による検証を行う。そして,その検証の結果を初期のコアカリキュラムとコンテンツに反映し,各国の産業技術の発展段階に応じて応用可能な成果物を完成する。
2 目標
これまでの本事業の成果物,ならびに昨年度作成したテキスト[産業技術基礎]でいただいた多くの国・人の意見や提案を基にして,[産業技術基礎]実習テキストのコアカリキュラムの編成とコンテンツの編修を行う。これには,現在開発途上国で必要とされる内容を加味して,その充実を図る。次に,各国の産業技術の発展段階に応じた,[産業技術基礎]実習テキストを提供するための効果的かつ効率的な提供システムのモデル構築を行う。これらのPR活動を,産業技術教育で重要な役割を果たしているフィリピンのコロンボプラン・スタッフカレッジで,各国・各地域の産業技術教育関係者を対象にしたワークショップを開催し,成果物の実習テキストを使ってもらうための働きかけを行う。それより,[産業技術基礎]実習テキストを完成し,印刷物,ディスク媒体,通信による提供システムのモデル構築を行う。
3 成果物
- 昨年度作成したテキスト[産業技術基礎]と連携する[産業技術基礎]実習テキストのコアカリキュラム
- 産業技術教育に関わる種々のコンテンツで構成される[産業技術基礎]実習テキスト
- 開発途上国の産業技術の発展段階に応じて応用可能な媒体(印刷情報,ディスク情報)
- インターネットを用いた通信情報(ウエブ上でホームページを公開)