サブサハラアフリカにおける初等教育普及政策および行財政制度に関する比較分析
神戸大学
西村 幹子
1. 概要
平成18年度に既存の文献や対象国
の現状を踏まえて作成した比較分析フレームワークに沿いつつ、既存の研究に
不足している項目について掘り下げた調査を行うこととする。
主な焦点としては、地方レベル(学校と地方政府のレベル)における初等
教育の普及の行財政的側面の阻害要因分析、および政策決定者と受益者の政策
の捉え方のギャップに焦点を当てる。
- 平成18年度に形成した比較教育政
策分析フレームワークの活用・検証:
収集可能なデータ、データの収集方法、インタビュー先の選定など、比較
教育政策分析フレームワークを活動レベルに落として、どのように調査するか
を詳細に決定していく。その決定に基づき、各国の有識者との共同作業により、
県レベルのケーススタディを行う。また、必要に応じてアジアの大学等からも
助言を得る。
- 政策提言に結びつくような各国の政策実施状況の比較分析結果としてのリ
ソースブックの作成:
分析フレームワークと分析手法が決定された後、当該国の研究者とペアを
組んで、海外調査を実施する。調査結果については、各国で取りまとめた後、
議論の場を設け、さらに分析の視点を焦点化し、共有する。これらの成果を、
政策提言に結びつくような各国の政策実施状況の比較分析結果としてのリソー
スブックとして取りまとめる。
- 経験の共有化:
2年間の活動実績や得られた知見について、日本国内の教育協力関係者や、
対象国の政府(教育省)関係者に対して発表することにより、本活動の経験を
共有するとともに、意見交換を行い、フィードバックを得る。
2. 目標
政策提言に結びつくような各国の政策実施状況の比較分析結果としてのリ
ソースブックの作成
比較分析フレームワークの活用により得られる、先行研究にはない地方レ
ベルでの分析結果を基に、リソースブックを作成する。これにより、平成20年
度の活動となる政策提言活動に繋がるための、各国固有の問題の所在と、サブ
サハラアフリカ地域に共通な政策的示唆を、より具体的に得ることが可能とな
る。
本リソースブックについては、幅広いステークホルダーに配布する予定で
あり、各国の政策決定者、政策実施者のみならず、地域的な援助政策を志向し
ている援助機関や研究者にとっても、援助政策を改善する一助となる、実用性
に優れたものとなるように取りまとめる。
3. 成果物
- 各国の政策の地方における実施状況と阻害要因を体系的に比較できるよう
なリソースブック
4. 国内報告会資料